遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群(以下HLRCC)は皮膚平滑筋腫・子宮筋腫・腎細胞癌の3つの疾患を発症しうる疾患です。 このうち腎細胞癌の発症、診断をきっかけとしてHLRCCであることが明らかになる場合が多いです。子宮筋腫も重要ではあるのですが、子宮筋腫自体が女性の3人に1人が罹患するといわれており、これだけでHLRCCを疑うのは難しいでしょう。
HLRCCを疑う要素としては
- 画像所見が非典型的で発育の勢いの強い腎腫瘍ができている(ときに複数)
- 皮膚症状や子宮筋腫を合併している
- 血のつながったご家族に腎腫瘍、子宮筋腫を発症した方がいる
- 若年で腎腫瘍を発症した
- 手術で摘出した腎腫瘍が、フマル酸ヒドラターゼ欠損性腎細胞癌の病理診断となった
などがあります。
上記のような要素があり、HLRCCの可能性を主治医の先生から指摘されている、またはご自身で当てはまると思われた方は、専門的診察を受けることをお勧めします。
HLRCCに限らず遺伝性腫瘍は一般的な腫瘍とは経過観察法や治療法が異なるため 、正確な診断がなされることが重要です。また、今後のご自身や血縁者の方の疾患発症リスクを把握することで、適切な検診で疾患を早期発見することにつながります。
専門的診察を受けてみたい、あるいは受けるべきなのか迷っているという方は、当HPの「診療に関するお問い合わせ」のページからお気軽にご相談ください。 当チームでは、できるだけ患者さんやご家族が無理のないかたちで診療を受けることができるよう、各地域の医療機関との連携を大切にしながらサポートいたします。