レポート:第1回HLRCC交流会
2024年5月18日、第1回HLRCC交流会を横浜市立大学福浦キャンパスのヘボンホールにて開催いたしました。 近年患者さんが少しずつ増えてきたHLRCCについて疾患の啓発や当事者・ご家族どうしの交流の場を設けたいというのが目的です。初回であること、また各当事者の方々の治療状況などもあり、少人数での開催となりました。
まず前半では講演として、 ①HLRCCの疾患総論(横浜市大泌尿器科 入部康弘)、②腎腫瘍のマネージメント(同 蓮見壽史)、③基礎研究の最新知見(同 軸屋良介) について講演を行いました。
そして後半では参加者である当事者・ご家族の方々と、医療者・研究者の懇談となりました。 話題に上ったのは、疾患に関する家族内コミュニケーションについてでした。HLRCCでは10歳くらいから腎癌を発症する可能性もあることから、早期に診断をつけることが望ましいとされています。しかし子どもに疾患のことをどう話すかというのは非常にセンシティブな問題です。一義的な正解のない問題について、サポートで参加してくださった遺伝子診療科スタッフも交えて話し合いました。当然その場で答えは出なかったのですが、この対話が各々にとって、何か少しでも心持ちの変化をもたらしてくれれば、と望んでやみません。
ざっくばらんな懇談のなかで、当事者・ご家族の皆様が困難を乗り越え前を向こうとするパワーを感じることができたのも確かです。私どもが逆に励まされたような、温かい会となりました。
小規模の開催ながら、最初の一歩として意義深い会だったと私どもは考えています。来年の開催も期待するお声をいただきましたので、また2025年5月に開催を予定しています。これから少しずつ輪が広がっていく予感がしています。今年ご参加できなかった方も、是非一度いらしてください。
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